2009年07月10日

肝がんとiPS細胞とp21

肝臓がん組織からiPS細胞が出来たと言う米国からの
新聞報道がありましたね。
癌抑制遺伝子p53の働きが落ちるとp21が元気に
なって癌になり、p21を押さえる方法が出来たので
肝がん細胞が癌でなくなり、iPS細胞が出来るという
ようなことが新聞には書いてあった。
p21はCyclin-dependent kinase inhibitor 1A(Cdk抑制因子)。
p53はp21を刺激してDNAに傷のある細胞を
G1に止め、修復するか、アポトーシスさせる。
何をどうすると癌細胞が正常のiPS細胞になるのか
理解できない。論文を待とう。
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2009年07月08日

癌抑制遺伝子の変異を利用した抗癌剤

Inhibition of Poly(ADP-Ribose) Polymerese in Tumors
from BRCA Mutation Carriers
Fong et al
NEJM.vol.361,123-134 

同号、p189,Editorial
synthetic Lethality -A New Direction
in cancer-Drug Development

この論文は私には全く理解出来ないが、とてつもないものだ
と言うことは解かる。
論文の中心は新しい抗腫瘍薬のフェイズ1の報告。
遺伝子が変異していると乳癌、卵巣癌、前立腺癌を多発する
BRCA1,2の家系で遺伝子検査を拒否した人達。
見付かると高率に乳癌になるので手術になる。
拒否したが勿論心配なので、この薬の治験に参加して
副作用、投与量を調べて副作用は軽く使用出来そうと
いう結果。それが中心だが進行癌にも投与していて有効な
人もいたという。問題は作用機序で本文では解からない。
editorialで解説。
癌抑制遺伝子が働かない人をどう治療するか?

BRCA(breast cancer)1と2。
DNAが損傷すると、ATM(ataxia telangiectasi)遺伝子
(これが糖尿病で話題にした、セリンスレオニンキナーゼ)や
チェックポイント1,2などが修復を指示しDNAの一方の
情報をもとに修理したり、だめなものはアポトーシスさせたり
する。Poly(ADP-Ribose) Polymerese 略してPARPは
base excision repair(BER)に参加しているらしい。
PARPのインヒビターを投与すると、正常細胞やBRCAの
抑制機能のある細胞は大丈夫だが、BRCAの働かない細胞は
死んでしまうそうだ。
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2009年06月30日

AKTとserine/threonine kinase

AKT2, a putative oncogene encoding a member of a subfamily
of protein-serine/threonine kinases, is amplified in human ovarian carcinomas.
Cheng JQ, et al
Proc Natl Acad Sci U S A. 1992 Oct 1;89(19):9267-71.

AKR種に自然発症する、胸腺腫の遺伝子がvーAKT。
その遺伝子がserine/threonine kinaseをコードしていた。
後の研究で成長因子がチロジンキナーゼの活性を
示したのに対し、成長を抑制し、拮抗する作用が
セリン、スレオニンキナーゼにあった。
インスリンの作用がIRS-1 からチロジンキナーゼを介し
伝わるのに、拮抗する調節作用がセリンスレオニン
キナーゼにあると注目されている。
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2009年06月29日

Marc Wilkinsとオーストラリアの科学

Marc Wilkinsはオーストラリアの学者で1994年の卒論を
発展させ、1997年に
Proteomics,Proteome Research:New Frontiers in Functional Genomics
という本を書いてProteomicsという言葉を広めた。
生物学を遺伝子情報からアミノ酸だけでなく、環境情報からの調節や
生成される蛋白質の構造の重要性を強調した。
オーストラリアはこの方面の先進核の一つになっていて、
インスリン受容体の微細構造の先頭を走るWardグループもそれだ。
オーストラリアの科学に注目しよう。
医学留学する人も増えていましたね。
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2009年06月28日

Leucine rich domein

Structural principles of leucine-rich repeat (LRR) proteins.
Enkhbayar P, , Matsushima N.
Agriculture, Hokkaido University, Sapporo, Hokkaido, Japan.
Proteins. 2004 Feb 15;54(3):394-403.
インスリン受容体ドメインの一番と3番はleucine rich domeinと
呼ばれている。
Kobeという人が、LRR leucine rich repeatという構造に注目して、
cavityのような構造の裏打ちをしていると発見しNIHに引き抜
かれている。受容体のようにligandを抱き込むような構造に
利用されているようだ。北大がレビューを書いているから
Kobeさんというのは日本人かと思ったが,違うようだ。
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2009年06月26日

インクレチン関係の二つの糖尿病新薬

グルカゴンはインスリンと反対に血糖上昇作用がある。
Incretinインクレチンは消化管ホルモンでインスリン分泌
刺激作用とグルカゴン分泌抑制作用がある。
「Exenatide」Amylin社とEli Lilyの週1回の皮下注射薬。
GLP-1はインクレチンと類似作用があり、この製剤は
long-actingを売り物にしていて、肥満のやせる効果も
あるという。
「Sitagliptin」シタグリプチン。Merck社の製品。
DDP−4阻害剤。dipeptidyl peptidase-4 inhibitors
DDP−4はGLP−1、インクレチンを破壊する酵素
だから、それを抑制する。
これ等の薬はグルカゴンと逆の働きがあろのだから、
胃の内視鏡の前処置で分泌を抑えるためにグルカゴンを
投与するが、それからも想像つくように、分泌を
増やすがたいしたことはないと言うひともいる。
何故かメトフォルミンと合剤になっている。
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2009年06月22日

シグナル伝達複合体とカスケード

シグナル伝達複合体とカスケード
カスケードは滝であるがナイアガラのようでなく
小さい滝だ。西洋庭園の段階的水落としでも使われる言葉だが、
凝固因子のプロテアーゼのように、蛋白分解酵素が次々に
切っていくような場合はよいが、インスリンの細胞内伝達の
ような時はぴったりしない。チロシンキナーゼの活性が
たかまり、活性化した蛋白のシグナルが伝わっていくと
いうような、わけの解からない医学部用語で教えられていく。
強いマイナス荷電のある燐酸がつけられることにより、
蛋白全体の電位バランスが変わり、構造に変化が起き、結果と
して次のステップの蛋白の結合部位が露出していき、
蛋白複合体を形成していくようだ。
こういう方面の理論的解説を有機化学者が書いた文献を
探したい。
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2009年06月20日

ブタ、トリ、ヒト型ウイルス

Triple-Reassortant Swine Influenza A (H1) in Humans
in the United States, 2005ー2009
NEJM,vol.360.No25,June 18,2009
患者さんがよく勉強しているから追い付こう。
インフルエンザ、ゲノム8分節
1、PB2
2、PB1
3、PA  1,2,3はRNAポリメラーゼ
4、HA  赤血球凝集素、 15種、Hで表す。
5、NP  核蛋白質
6、NA  ノイラミニラーゼ、9種、Nで表す。
7、M1,
  M2, 膜蛋白質
8、NS1,
  NS2,非構造蛋白
アメリカで死んだのは22ヶ月の先天性MG,と33歳の妊婦
HA,NP,NA,M,NSはブタ型。
PB2とPAはトリ型。
PB1はヒト型。
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2009年06月18日

インスリン受容体のドメイン構造 訂正版

インスリン受容体IRのドメイン構造
IRはα2β2のヘテロ4量体。
初期の文献にα1β1が主というのがあったが変更された。
α鎖は細胞外、β鎖は一部細胞外、膜を貫通して中心部は
細胞内。
α鎖は
L1, 誤りlarge domain 1→largeという文献は確かにあるのだ      が、a leucine-rich repeat domainというのがあり、
大きいわけでもないので、こちらが正しそう。
CR, cystein rich domain
L2, 誤りlarge domain 2→a second leucine-rich
repeat domain
FnV1, fibronectin type V domain
FnV2,
ID    insert
FnV3
から成る。
ベータ鎖は
Ins, 
Fn1,
Fn2,
TM,  transmembrane domain 貫通部位
JM, juxtamenbrane domain
TK, tyrosine kinase catalytic domain
CT, C-terminal domain
から成る。
α鎖とα鎖同士はIDで、β鎖とβ鎖はFn1とFn2の位置で
S−S結合で繋がる。
インスリンが相互のL1とL2に交差するように2分子結合する
という説がある。
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2009年06月17日

myristylation

Processing of p60v-src to its myristylated membrane-bound form.
E A Garber, F R Cross, and H Hanafusa
Mol Cell Biol. 1985 October; 5(10): 27812788.

花房研究室の報告ですね。
srcウイルスのNターミナル2番目のグリシンはミリスチル酸の
ひもがついているが、それがないとウイルスが膜を通過できない
そうだ。レトロウイルスはみんなそうなのだろう
posted by ヘフティー at 16:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする