2011年03月29日

タウの構造の6

Missense and silent tau gene mutations cause
frontotemporal dementia with parkinsonism-chromosome 17 type,
by affecting multiple alternative RNA splicing regulatory elements.
D'Souza I, Poorkaj P, Hong M, Nochlin D, Lee VM, Bird TD, Schellenberg GD.
Proc Natl Acad Sci U S A. 1999 May 11;96(10):5598-603.
FTDにパーキンソンを合併する稀な疾患で、タウとの関連が
疑われていた。
たった5ページの文献で色々なことを証明したすごい文献で
あると共に、データからの理論展開がすごい。らしい。
タウ遺伝子のexon10とそれに続くintoron10の境界部に種々の
変異をつくり、タウexonを作らせたり、microtubuleとの結合能
を調べたりしている。
エクソン内部、イントロンの変異がrepeatの数を増やしたり
低下させたり、結合力を低下させたりしている。
splicingのenhancer,silencerとして、
cis-acting regulater elementとして働いている。
これ等の研究手法、アイデアはHIVウイルスの研究の
応用で、レトロウイルスの方のブログがこの部分で
落ちこぼれた話題に戻ってしまった。
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2011年03月27日

タウの構造の5

Tau gene alternative splicing:
expression patterns, regulation and modulation of function
in normal brain and neurodegenerative diseases.
Andreadis A.
Biochim Biophys Acta. 2005 Jan 3;1739(2-3):91-103. Review.
素晴らしい論文だとは解るが、理解が不充分で残念。
今まで書いて来たことに訂正の必要が多そう。
*constitutiveとalternativeなsplicing
ホルモンで、プロホルモンからsplicingでホルモンが
出来るように、pro(mRNA)からの産物は常に決まって
いるものがconstitutive。
タウのように、出来上がるisoformが色々なものが
alternative。
splicingのやり方は後日書きたい。
*取捨選択されるexonが5つある6組という。
Shortest fetal CNS(2-3-6-10-)
Longest fetal CNS(2+3+6-10+)
Longest possible 6+(2+3+6+10+)
Longest possible 6d(2+3+6d)
Longest PNS(2+3+4A+6-10+)
Longest muscle(2+3+4A+6+10+)
*exon2とexon3はこの場合常に一緒に動く。
2,3は矢張りprojection domainで膜と関係する。
*exon10の有無が3リピート4リピートを決めるのは
元の通りである。10の欠損は種々の病気に結びつく。
機能がもっとも良く研究されている。
Exon 10 is conserved.というのは系統発生で保存されて
いる。つまり生命活動に重要である。という意味らしい。
10の中にはenhancerやsilencerというsplicingに重要な
機能があるらしい。
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2011年03月24日

タウの構造の4

Identification of tau protein regions required for process formation in PC12 cells.
Léger JG, Brandt R, Lee G.
J Cell Sci. 1994 Dec;107 ( Pt 12):3403-12.
この論文と関係あるような、無いような話。
タウには14ケのexonがある。
N端の2番、3番はprojection domainと言われる。
9番から12番はmicrotuble-binding repeatsに関係した
domain。ブログの日時により少し数などの説明が異なる
のは、年月の経過で学説の変化、学問の進歩。
タウに3リピートと4リピートがあるのは、10番exonを
splicingでskip飛ばしがあるかどうか。二通りになる。
今のは、リピートの話で、isoformの6通りは、それに
2番、3番のskipが加わる。
2N4R,2N3R,1N4R,1N3R,0N4R,0N3Rと言うようなisoformの
記述が見られる。4R,3Rとは10exonがあるかどうか。
1N,2NというのはN端の2番と3番の一方しかなく、
0Nゼロエヌとは両方無い場合。これで6通りだが、2番が
ない場合と3番が無い場合は数は同じでも内容は違い
そうだが、その説明は見えない。
タウの構造2とskipのexon番号が違う。numberingが
変わったのか?

この論文に戻る。アルツハイマーなどの臨床はC端の
リピートなどのものが大部分。これはN端のはなし。
褐色細胞種の培養系のPC12は成長因子NGFを
作用させると、神経突起のようなprojectionを出す。
この時細胞膜にタウが染まると共に、長く延びた
突起の先端がcone-like structureを示し、まるで
神経細胞の成長する軸索のようになりその部分が
タウを強く発色させる。この場合のタウはN側部分が
必要である。そうだ。
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2011年03月21日

タウの構造の3

1,
Cloning and sequencing of the cDNA encoding a core protein of
the paired helical filament of Alzheimer disease:
identification as the microtubule-associated protein tau.
Goedert M, Wischik CM, Crowther RA, Walker JE, Klug A.
Proc Natl Acad Sci U S A. 1988 Jun;85(11):4051-5.
アメリカグループに対抗するケンブリッジグループ。
アルツハイマーのpaired helical filamentは免疫学的手法で
タウでないかと言われていたが、アミノ酸配列でタウと確認した。
2,
Cloning and sequencing of the cDNA encoding an isoform of
microtubule-associated protein tau containing four tandem repeats:
differential expression of tau protein mRNAs in human brain.
Goedert M, Spillantini MG, Potier MC, Ulrich J, Crowther RA.
EMBO J. 1989 Feb;8(2):393-9.
タウのアミノ酸配列を調べて、C端末近くの繰り返しが、3回と言わ
れていたが、4回のものがあった。3回の2番目と3番目の間に
insertionがあった。追加部分は一つの exon構造になっていた。
この著者の文献記載は解りやすくて勉強になる。
4repeatsタウの場合、
5’塩基配列の最初の30ケは非翻訳部分。
その後に塩基ATGでメチオニンで、開始コドンここが一番。
1149番目が終始塩基のTGA.
この後に非翻訳の18塩基がつく。
開始コドンから、終始コドンまでが、open reading frameだから、
前回書いたexonとORFは関係ない。
exonはビデオやDVDの映画のチャプターのようなものだから、
全体としては切れ目はない。
次に、繰り返し3回(タイプ1)と繰り返し4回(タイプ2)の部分に
anti-mRNAをつくりその燐酸をアイソトープラベルをして、タウの発現と
成長段階や体の分布を調べた。
胎児foetal brainでは、3回のものばかりで、adult brainでは
3回、4回両方があった。脳の部位であまり変化が出ていない。
体の方も、両方あるが、肝臓には何故か3回だけだった。
アルツハイマーの脳にも、両方あった。
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2011年03月19日

タウの構造の2

1,
Tau consists of a set of proteins with
repeated C-terminal microtubule-binding domains
and variable N-terminal domains.
Himmler A, Drechsel D, Kirschner MW, Martin DW Jr.
Mol Cell Biol. 1989 Apr;9(4):1381-8.
ウシのタウの構造を調べてN-termina部分、middle部分、
C-terminal部分の3つの部分に分けられ、そのC−端
には、4回の繰り返し配列があった。
この部分がtubulineとの結合部分だった。
繰り返しが欠損で二つしかないタウも結合力があった。
アドルフ・ヒムラーという偉そうな著者。1989年
2,
Structure of the bovine tau gene:
alternatively spliced transcripts generate a protein family.
Himmler A.
Mol Cell Biol. 1989 Apr;9(4):1389-96.
同じ号に続いて。同じ著者だが何故かこちらは単独。
タウは1番から13番への13個のopen reading frameORFで
出来ている。ORFは情報ファイルのようなもの。
DNA→transcription→preM-RNA→splicing→M-RNA→translation
splicingの時に、1,2、4,5、7、9、11,12,13は
常に選択されるが、6は常にskip.
3,8,10は取捨選択される。この結果
1)3+,8+,10+
2)3+,8-,!0+
3)3+,8-,10-
4)3-,8+,10+
5)3-,8-,10+
6)3-,8-,10-
タウに6種類のisoformが存在する説明としてもっともらしいが
open reading frameとexon,intronを同じに扱っていて
良いのか悪いのか解らない。
posted by ヘフティー at 22:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

タウの構造の1

The primary structure and heterogeneity of tau protein from mouse brain.
Lee G, Cowan N, Kirschner M.
Science. 1988 Jan 15;239(4837):285-8.
tauの構造のブレイクスルーとなった論文で、続々と続く。
個々の論文がどの点が、どこまでの進歩なのか理解が難しい。
マウスのタウ蛋白のアミノ酸配列を調べて、そのC端末
近くに18個のアミノ酸からなる3つの繰り返し配列があった
という。1988年1月。
posted by ヘフティー at 15:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月14日

FTLDの本

織田辰郎著「FTLDの診断と治療」弘文社、2010年
初版の2刷が出ているそうだか、著者の勉強不足。
池田学著「前頭葉型認知症の臨床」
専門医のための精神科臨床リュミエール、シリーズの12
2010年
こちらの方がまだ良いが、リュミエールなどと
訳のわからない言葉でごまかすのが、精神科の悪い所。
臨床と断ってあるだけに、基礎の記載は全く無い。
基礎知識が無くとも、日本の専門医にはなれるようだ。
posted by ヘフティー at 17:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

FTLD

前頭葉側頭葉型痴呆
日本方言病名は認知症、世界はdementiaである。
frontotemporal dementia(FTD)は臨床症状を主体とした言い方。
frontotemporal lobe degenalaion(FTLD)は病理形態学的表現。
臨床的な3型として、
1,progressive nonfluent aphasia(PNFA)
2,Semantic dementia(SD)
3,behavioral variant(bv-FTD)
1と2は前回の記載が進行する。
かなりゆっくり進行するものもあり、最後まで痴呆にならない
ものもあるらしい。
3は性格、行動の変化、破綻で躁病と誤診しやすい。

Pick症候群としての3型では
1、(Pick球のある)Pick病
2、皮質基底核変性症(CBD)
3、認知症をともなう筋萎縮性側索硬化症(ALS-D)
ユビキチン陽性封入体を持つFTLD(FTLD-U)
などに分類されている。
臨床像、病理所見、遺伝子検査所見は一致せず混乱状態に
ある。
これを取り上げているのも、TauやTDP-43の理解にあるので
気長にやりたいと思う。
この病気の頻度のデ-タは少なく、解説もいいかげんなものが
多いが45歳から64歳の好発年令集団で、10万人あたり、15人
というのはかなり少ない。全人口で考えれば、中規模都市に
一人くらいか?家族集中があるのでさらにどうなるか・・
posted by ヘフティー at 18:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月08日

非流暢性失語

以下のものは前頭・側頭型認知症の理解の予備知識である。
超皮質性運動失語
言語自発性の低下と良好な復唱が特徴の失語。
形式的には非流暢性とされるが、運動性失語が「話せない」のに対し、
超皮質性運動失語は「話そうとしない」。
病巣としては左前頭葉の内側部(補足運動野、上前頭回)から
背外側部(中下前頭回)であるが中心前回は含まれない。

原発性進行性失語症:
非対称性の(左側で悪い)側頭葉前外側部の萎縮により言語機能が低下するが,
海馬と記憶は比較的保たれる。
ほとんどの患者は,語想起が困難である。
注意(例,数字記憶範囲)は重度に障害されうる。
多くの患者は失語症を有し,流暢性(りゅうちょう)の低下と言語理解困難がみられる
;発話の躊躇や構音障害もよくみられる。

意味性認知症(semantic dementia)は原発性進行性失語症の1タイプである。
左脳が最も侵されると,単語理解力が進行性に消失する。
発話は流暢であるが,意味を欠く
(例,対象物の特定名称ではなく,総称や関連語を使う)。
右側脳が最も侵されると,患者は進行性の失名詞(物の名前が言えない)
および相貌失認(馴染みのある顔を認識できない)を有する。
患者は位置関係を覚えておくことができない。
posted by ヘフティー at 16:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月07日

神経原繊維変化

認知症の患者の神経細胞、樹状細胞内に繊維状封入体
neurofibrillary tangel(NFT)
neuropil thread(NT)
が見える。
これを電顕で見ると
paired helical filamento(PHF)断続的に膨らみを持つフィラメント。
straight filament(SF)膨らみがない。
病気が進行すると細胞がなくなり、繊維だけに。
ghost tangle

Neuropathological stageing of Alzheimer-related changes.
Braak H, Braak E.
Acta Neuropathol. 1991;82(4):239-59. Review.
6段階にstaging
第1,2,段階をtransentorhinal部位に細胞内neurofibrilary changeが
見られるという。transentorhinal部位とはどこか?は
Neurobiol Aging. 2008 Oct;29(10):1591-6.
Anatomic localization of the transentorhinal region of the perirhinal cortex.
文献はそろうが内容理解はアイマイ。
第3,4、段階はそれにproper entorhinal cortexや第1アンモン角が加わる。
第5,6段階はすべてのisocortical association 部位に拡がるという。
transentorhinalをグーグル検索できれいな絵が出るのだがその絵が
理解できない。

Ubiquitin is detected in neurofibrillary tangles and
senile plaque neurites of Alzheimer disease brains.
Perry G, Friedman R, Shaw G, Chau V.
Proc Natl Acad Sci U S A. 1987 May;84(9):3033-6.
アルツハーマーのneurofibrillary tanglesを調べたら
ユビキチンが付いていた。
プロテアソームの機能不良の可能性。
posted by ヘフティー at 17:25| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月03日

TDP-43とアルツハイマー

TDP-43 in aging and Alzheimer's disease - a review.
Wilson AC, Dugger BN, Dickson DW, Wang DS.
Int J Clin Exp Pathol. 2011 Jan 30;4(2):147-55.
TDP-43はもう一つのレトロウイルスのブログが行き詰った
犯人であるが、あちらでもう少しウイルス学的には、詰め
たいとは思っている。HIVのLTRのウイルス増殖調節
関連物質。この遺伝子TARDBPが第1染色体にあり、
家族性のcystic fibrosisの受容体とも関係する。
ALSに家族性でADP-43の沈着が注目され、ALSに近い
ものから、fronttemporal lobar degeneration(FTLD)から
ピック病に近いものまでの広がりが研究されている。
アルツハイマー病の23%にTDP-43の沈着がみられ、
重症例に多いらしい。一部はprogranulinと関係が
あるらしい。
TDP-43 proteinopathyには、primaryのものと
secondaryのものがあるといっている。
これはreview文献だから、文献探しの材料として
考える。
posted by ヘフティー at 22:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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